助産師って、実は“妊娠・出産・育児の伴走者”なんです

「助産師って、結局なにをしてくれる人なんですか?」

これ、実は妊婦さんから本当によく聞かれる質問です。
そして私たちは毎回こう思います。

もっと早く知っていてほしかったなぁ、と。

助産師は、妊娠した人のすぐ近くにいます。
でも、こちらを意識しなければ、一生関わらずに終わることもある職業です。

時には看護師さんと思われ、時には産科医の先生と思われる。
でも、そのどちらでもありません。

助産師は、正常な妊娠・出産・産後の経過を見る専門家です。

看護師の知識と技術を持ちながら、
さらに妊娠・出産・母乳育児・新生児ケアを深く学び、
何千というお産とお母さんたちを見てきています。

そして実は
産後のメンタル不調を、一番最初にキャッチしやすい存在でもあります。

「どこで産むか」より、「誰と産むか」が大事な時代

妊婦健診の補助券が増えたり、
産後ケア事業が広がったり。

国も少子化対策として、いろいろ動いています。
でも現場にいる私たちからすると、

「制度を増やすだけじゃ、お母さんの孤独は減らないのよね

と思うことも正直あります。

たとえば最近増えた「産後2週間健診」。

もちろん必要です。
でも、流れ作業みたいに

  • 悪露(オロ)のチェック
  • 血圧測定
  • エジンバラ産後うつ質問票

これだけで終わってしまったら。

お母さんの本当の不安って、置き去りになっていませんか?

産後うつは、点数だけでは分からない

エジンバラ産後うつ質問票。
これは産後うつを早期発見するための大切なツールです。

でもね。

点数だけ見ても、本当の気持ちは分からないんです。

実際に話してみると、

「泣きたかっただけ」
「誰かに大丈夫って言ってほしかった」
「ちゃんと育てられてるか不安だった」

そんな気持ちを抱えているお母さんが本当に多い。

逆に言えば、
助産師とゆっくり話をすることで、不安が軽くなるお母さんもとても多いんです。

産後のお母さんって、正解が欲しいんじゃない。
「これでいいんだよ」って確認したいんです。

産後健診で本当に大切なのは「話せること」

産後2週間頃の悪露は、ある程度出ていて当然です。
回復していく途中だから。

だから私たちは、数字やチェック項目だけよりも、

  • 家でちゃんと眠れている?
  • 赤ちゃんが泣くと怖くならない?
  • 母乳つらくない?
  • 一人で抱え込んでない?

そんな話を大事にしています。

今はリモートでの産後相談も増えています。
画面越しでも、お母さんの表情って分かるんですよ。

「あ、この人、頑張りすぎてるな」

って。

助産師って、そういう言葉にならないSOS”を見る仕事でもあります。

母乳育児がつらい時、頼っていい

早産だった赤ちゃん。
体重が増えにくい赤ちゃん。
母乳がうまく飲めない赤ちゃん。

そんな時、お母さんは自分を責めます。

でもね、赤ちゃんって教科書どおりには育ちません。

だから母乳外来があります。
だから助産師がいます。

「また来ちゃいました」

それでいいんです。

乳腺炎でもいい。
授乳がつらくてもいい。
育児に自信がなくてもいい。

一人で抱え込むほうが、よっぽど危ない。

育児は孤独との戦いにしなくていい

育児が始まると、
必ずどこかで「誰かに寄りかかりたい日」が来ます。

それは甘えじゃありません。
人間として普通です。

むしろ、頼れないお母さんのほうが心配。

だから私たちはいつも言います。

「困ったら、またおいで」

産院を卒業したら終わりじゃない。
助産師との関係は、そこで切れていいものじゃないんです。

妊娠中も、産後も、育児中も。
お母さんには帰ってこられる場所が必要だから。

妊娠・出産・育児で不安なあなたへ

もし今、

  • 妊娠して不安が止まらない
  • 出産が怖い
  • 産後うつが心配
  • 母乳育児につまずいている
  • 誰にも弱音を吐けない

そんな気持ちがあるなら。

助産師を頼ってください。

検索するときは、

「助産師 外来 産後ケア」
「産後うつ 相談 助産師」
「母乳外来 おすすめ」
「妊娠 不安 誰に相談」

そんな言葉で探してみてください。

案外、あなたの近くにも
おせっかいだけど味方になってくれる助産師がいるかもしれません。

そしてもし困ったら。
何回でも来てください。

お母さんは、一人で育児しなくていいんです。

戌の日の腹帯は意味がある?助産師が伝えたい「安産につながる妊娠中の身体の整え方」

皆さん、ご機嫌よう。

……と言いながら、今年の暑さには私たちも思わず口にしたくなります。

「暑いですねぇ……

妊婦さんにとって、この暑さは本当に大変です。

ただでさえ身体が変化している妊娠中。体温調節もしづらく、いつもより疲れやすかったり、息苦しく感じたりする方も多いのではないでしょうか。

暑いからクーラーの中で過ごす。

これはもちろん大切です。

「妊婦は冷房禁止!」なんて、そんな昔の根性論みたいなことを言うつもりはありません(笑)

今は上手に文明の力を借りる時代です。

ただし、ひとつだけお願いがあります。

身体の中心や足元を冷やしすぎないでください。

妊娠中の冷えは、血流の悪さや身体のこわばりにつながり、腰痛やむくみなどの不調を感じやすくなることがあります。

例えば、

・靴下を履く
・足首を冷やさない
・レッグウォーマーを使う

このくらいの小さな工夫で十分です。

おすすめはシルク素材の靴下やレッグウォーマー。

「靴下なんて暑い!」と思うかもしれませんが、素材を選べば蒸れにくく、慣れると裸足の方が落ち着かなくなる方もいます。

身体って正直なんですよ。

妊婦帯や腹帯は必要?選び方を間違えるともったいない

最近はガードル型の妊婦帯も人気ですね。

見た目も安心感がありますし、「妊婦らしい準備をした」という気持ちにもなります。

それも妊娠生活の楽しみのひとつ。

でも、助産師として少しだけ言わせてください。

身体の仕組みから考えると、ただ締めれば良いというものではありません。

お腹を強く圧迫してしまうタイプは、苦しさを感じたり、蒸れたりすることもあります。

妊婦さんが感じる腰痛や背中のつらさの原因は、単純に「お腹が重いから」だけではありません。

妊娠中はホルモンの影響で骨盤周りの靭帯がゆるみ、姿勢も変化します。

たった10ヶ月ほどの間に、身体は赤ちゃんを育てるために大改造されているのです。

例えるなら……

家の間取りを変えながら、同時に家族を増やしているようなもの。

身体に負担がかからないわけがありません。

だからこそ、骨盤ベルトなどを正しく使うことには意味があります。

戌の日とは?なぜ妊娠5ヶ月で腹帯を巻くの?

日本には昔から「戌の日」という風習があります。

妊娠5ヶ月頃の戌の日に、安産を願って腹帯を巻く習慣です。

なぜ犬なのか?

犬は多産で、お産が軽いと言われてきたからです。

そこから「犬のように安産でありますように」という願いを込めて、安産祈願をする文化が生まれました。

昔の人は、今のように医学的な知識が十分ではない時代でも、身体を守る知恵を持っていました。

腹帯には、

・大きくなるお腹を支える
・冷えから守る
・外からの衝撃から守る
・緩んでくる骨盤をサポートする

そんな実用的な意味もあったのです。

現在でも、戌の日に合わせて腹帯を準備される妊婦さんはいらっしゃいます。

中には「母から教えてもらいました」と晒しの腹帯を持って来られる方もいます。

そんな時、私たちは少し胸が温かくなります。

「文化がちゃんと受け継がれているなぁ」と感じる瞬間です。

腹帯や骨盤ベルトは買うだけでは意味がありません

ただし、大切なのはここ。

腹帯も骨盤ベルトも、購入しただけでは身体を助けてくれません。

正しい位置、正しい巻き方で使うことが大切です。

せっかく買ったのに、

「なんとなく苦しいから使わなくなった」

「巻き方が分からない」

では、もったいないですよね。

当院では骨盤ベルトを購入された方には、使い方をお伝えしています。

忘れてしまった時に確認できるよう、巻き方を写真で残しておくこともあります。

晒しの腹帯を希望される方には、巻き方もお伝えしています。

昔ながらの方法も、現代の身体に合わせて上手に取り入れていきましょう。

妊婦であることを隠さなくていい

最近は「妊婦と分からない服装をする」という話も聞きます。

でも私たちは思います。

「妊婦で何が悪いの?」

堂々としていいんです。

妊娠は特別な時間です。

お腹の中で新しい命を育てている。

それって、ものすごいことですよ。

電車で席を譲ってほしい時も、遠慮しすぎなくていい。

「すみません、妊娠中なので席を譲っていただけますか?」

と言っていいんです。

妊婦さんは甘えているのではありません。

身体の中で、大仕事をしている最中なのです。

安産のためにできることは、自分の身体を知ること

ただし、ここも大切。

妊婦さんだから何をしてもいい、という話ではありません。

赤ちゃんを守ることは、自分の身体を大切にすることから始まります。

食事、運動、睡眠。

妊娠中の生活は、必ず未来の自分に返ってきます。

「これくらい大丈夫」

と思う気持ちも分かります。

でも、その選択をするのはあなた自身です。

今食べているもの。

今過ごしている時間。

それが未来の身体を作っています。

完璧を目指す必要はありません。

でも、自分の身体に少し興味を持ってあげてください。

安産の秘訣は「自分の身体と仲良くなること」

私たちは長く助産師をしてきて、本当にたくさんの妊婦さんを見てきました。

もちろん年齢分、人生経験もあります。

でも、助産師が何かを言っても、妊婦さん自身が「自分の身体を大切にしよう」と思わなければ、ただのおしゃべりになってしまいます。

安産への第一歩は、

自分の身体を知ること。

そして、

赤ちゃんを迎える準備を楽しむこと。

妊娠期間は不安もあります。

でも、本来は人生の中でも特別で、愛おしい時間です。

身体を整えて、心を整えて。

「妊娠して良かった」

と思える毎日を過ごしてほしい。

そのお手伝いをするのが、私たち助産師の仕事です。

一緒に、素敵な妊婦生活を楽しみましょうね。

産後をラクにするのは「想像力」。妊娠中から始めたい産後準備の話

ごきげんよう。
妊婦の皆さん、体調はいかがですか?

今日は、お産の準備で絶対に忘れてほしくないことについてお話しします。

それは「産後の手伝いを準備しておくこと」。

これ、本当に大事です。

妊婦さんって、どうしても「出産」がゴールになりがちなんですが……
実は本番はそのあと。

出産翌日から、待ったなしで育児が始まります。

初産婦さんほど、“産後の現実”を想像しにくい

初めての出産だと、産後の生活ってなかなか想像できないものです。

赤ちゃんが寝たら自分も休めると思っていた。
授乳は数分で終わると思っていた。
家事も少しならできると思っていた。

……うん、みんな最初はそう思います。笑

でも実際は、

  • 授乳して
  • オムツ替えて
  • 抱っこして
  • 寝かしつけたと思ったら
  • また泣く

のエンドレス。

しかも、自分の身体は交通事故後みたいなダメージ状態です。

産後すぐの家事は、思っている以上に身体へ負担がかかる

退院して家に帰ると、多くのお母さんがまず気になるのが“散らかった家”。

「あぁ、片付けなきゃ」
「洗濯しなきゃ」
「ご飯作らなきゃ」

真面目なお母さんほど頑張ってしまいます。

でもね、ここで無理をすると、

  • 食事が適当になる
  • 睡眠不足になる
  • 授乳時間が減る
  • 母乳分泌が落ちる
  • 気持ちに余裕がなくなる

という悪循環に入りやすいんです。

そして、「泣いたらミルクで急いで済ませる」が増えていく。

もちろんミルクが悪いわけではありません。

ただ、お母さん自身が余裕を失い、“赤ちゃんとゆっくり向き合う時間”が減ってしまうことが、私は少し心配なのです。

母乳育児を軌道に乗せるには「赤ちゃんに集中できる環境」が必要

母乳育児を安定させるために大切なのは、

  • 頻回授乳
  • 休息
  • 栄養
  • 安心できる環境

です。

つまり、「家事をどれだけ頑張るか」ではなく、

「どれだけ赤ちゃんとの時間に集中できるか」

なんです。

だから私は妊婦さんに、

「産後は“赤ちゃんのお世話だけしてればいい”くらい準備しておいてね」

とお伝えしています。

産後のお手伝いは、全部を頼まなくてもいい

「でも、実家遠いし…」
「頼れる人がいなくて…」

そんなお母さんもいます。

もちろん、お母さんや義母さんが泊まり込みで来なくても大丈夫。

例えば、

  • 食事を届けてもらう
  • 洗濯だけお願いする
  • 買い物を頼む
  • 数時間だけ赤ちゃんを見てもらう

それだけでも、産後のお母さんはかなり助かります。

最近は、

  • 産後ケア施設
  • ドゥーラ
  • 家事代行
  • 自治体サービス

を上手に利用される方も増えています。

「人に頼るのが苦手」な方ほど、妊娠中から準備しておくと安心ですよ。

パパの育休、本当に大事です

もし可能なら、ご主人には最低でも1か月ほど育休を取ってもらえると理想的です。

なぜなら、産後1か月は“回復期間”だから。

お母さんの身体は、

約3kg前後の赤ちゃん
胎盤
羊水
大量の血液変化

を経験しています。

これ、身体にとっては相当な大仕事です。

だから「もう退院したから普通に動けるでしょ」は、全然違う。

むしろ産後って、“静かに横たわって回復する時期”なんです。

悪露は「身体からのお便り」

産後の回復状態を見る目安のひとつが“悪露(おろ)”。

1か月健診頃までに落ち着いていれば、順調に回復しているサインです。

逆に、

  • なかなか止まらない
  • 増える
  • 鮮血が続く

場合は、「ちょっと動きすぎたかな?」という身体からのメッセージかもしれません。

身体って、本当に正直なんですよ。

無理するとちゃんとサインを出します。

産後の不調は、我慢しなくていい

産後は、

  • 抜け毛
  • 不眠
  • 不安感
  • 疲労感
  • イライラ
  • 食欲低下

など、さまざまな不調が出やすい時期です。

「お母さんなんだから頑張らなきゃ」と抱え込む方も多いですが、私は声を大にして言いたい。

しんどい時は、ちゃんと助けを求めてください。

漢方も、産後の体調管理に役立つことがあります。

  • 疲れやすい
  • 母乳分泌が不安
  • 夜眠れない
  • 気持ちが落ち込む

そんな時、身体を整えるサポートになることもあります。

想像力が、産後のお母さんを助ける

妊娠中って、「産んだらなんとかなる」と思いやすい。

でも実際は、“産後をどれだけ想像できていたか”で、お母さんの負担はかなり変わります。

だから今のうちに考えてみてください。

  • 誰に頼れる?
  • 食事はどうする?
  • 夜つらい時どうする?
  • 自分が倒れたらどうなる?

これは弱さではありません。

赤ちゃんを守るための、大事な準備です。

そして何より、お母さん自身を守る準備でもあります。

産後のお母さんは、本当によく頑張っています。
だからこそ、「頑張らなくても回る環境」を、妊娠中から整えておきましょうね。

「冷え」は妊婦さんの大敵。安産のために、本当に大切なこと

今回は、妊娠中の“冷え”についてお話しします。

助産師をしていると、「冷えなんて昔の話でしょ?」と思っている妊婦さんにもよく出会います。
でもね、長年たくさんのお産を見てきた立場から言わせてもらうと……

冷えを甘く見ていると、お産はかなりしんどくなりやすいです。

これは脅しではなく、経験から感じている現実なんです。

妊娠中の冷え対策は、安産への土台づくり

お産の森では、東洋医学の考え方も取り入れながら、

  • 身体を冷やさない生活
  • 血流を良くする食事
  • 足腰を整える習慣

について、かなり細かくお伝えしています。

「そこまで言う?」と思うくらい、しつこく。笑

でも、それには理由があります。

妊娠・出産って、想像以上に体力も血流も必要だからです。

特に妊娠後期になると、

  • 足の冷え
  • むくみ
  • 貧血
  • お腹の張り
  • 疲れやすさ

こういった不調が、お産の進み方にも影響してきます。

健診の時だけ冷え対策”は、身体にバレています

最近、暑くなってくると増えるんですよ。

健診の日だけ急に、

  • 厚手のレッグウォーマー
  • タイツ重ね履き
  • 足首ガチ防寒

の“インスタント冷え対策妊婦さん”。笑

いや、気持ちはわかるんです。
「助産師さんに怒られたくない」ってね。

でもね、お母さんの身体って正直なんですよ。

普段から冷えている方は、

  • 足首の硬さ
  • 皮膚の冷たさ
  • むくみ方
  • 歩き方

ですぐ分かります。

だから私は、「ちゃんとやってないでしょ!」と責めたいわけではなく、

「あぁ、このままだとお産つらいかもなぁ…」

と心配しているんです。

妊娠中の生活習慣は、お産にそのまま出る

これは何度でも言います。

お産って、突然奇跡のようにラクになるものではありません。

妊娠中、

  • 身体を冷やす
  • 食事を抜く
  • 甘い物ばかり食べる
  • 動かない
  • 睡眠不足
  • 無理して働き続ける

こういう積み重ねは、出産の時にちゃんと身体へ返ってきます。

東洋医学では「因果」という考え方がありますが、本当にその通り。

身体は、やってきたことを全部覚えているんです。

「自然分娩したい」は素敵。でも準備は必要

「できれば自然分娩で産みたいです」

その希望は、とても素敵です。

でも、自然分娩って“自然に丸投げ”ではありません。

身体を整え、血流を良くし、体力を作り、赤ちゃんを迎える準備をしていく。

それがあってこそ、“自然に産める力”が発揮されやすくなるんです。

漢方を処方されても飲まない。
食事はバラバラ。
慢性的な冷えと貧血。
ずっと不調がある。

その状態で「自然分娩希望です」と言われると、助産師としては少しハラハラします。

だって、お産するのはお母さんの身体だから。

助産師は“怖い人”ではなく、未来を見ている人

時々、「助産師さん厳しい…」と思われることがあります。笑

でもね、私たちは毎日いろんなお産を見ています。

  • 安産だった人
  • 難産になった人
  • 出血が多かった人
  • 産後ボロボロになった人

その違いを、何年も積み重ねて見てきています。

だから、歩き方や身体の状態を見るだけで、

「あ、この方は冷えが強いな」
「骨盤周りが硬いな」
「産後しんどくなりそうだな」

と、ある程度予測がつくんです。

もちろん未来を決めつけるわけではありません。
でも、“今できること”を伝えたいから、何度でも口うるさく言ってしまうんですよね。

完全に、おせっかいなお母ちゃんたちです。笑

前回安産だったから、今回も大丈夫…とは限らない

経産婦さんによくあるのが、

「前は大丈夫だったから今回も平気」

という気持ち。

でもね、ここで大事なのが“年齢”。

身体は確実に変化しています。

20代の身体と30代後半の身体。
同じようにはいきません。

そこをちゃんと受け止めて、

「今回はもっと身体を整えよう」
「冷え対策しよう」
「ちゃんと休もう」

と思える方は、産後の回復も本当に違います。

妊娠中のセルフケアは、誰のため?

ここ、すごく大事です。

「赤ちゃんのために頑張らなきゃ」

もちろんそれも素敵。

でも私は、まず“自分のため”でいいと思っています。

だって、お産するのはお母さん自身。

身体を温めること。
ちゃんと食べること。
動くこと。
休むこと。

それって、本来は自分の身体が喜ぶことなんです。

逆に、

  • 冷たいものばかり
  • 食事が適当
  • 運動不足
  • 夜更かし
  • 不調を放置

こういう生活を続けると、妊娠中だけでなく、産後も不調を引きずりやすくなります。

お産はゴールじゃない。その後に育児が始まる

難産で体力を使い切ったあと、すぐに始まるのが育児です。

夜中の授乳。
抱っこ。
寝不足。
細切れ睡眠。

だからこそ、妊娠中から身体を整えておくことが本当に大事なんです。

産後、「こんなにつらいなんて思わなかった」と涙するお母さんを、私はたくさん見てきました。

だから今、まだ妊娠中のうちに伝えたい。

身体を大事にしてください。
冷やさないでください。
無理しすぎないでください。

それは赤ちゃんのためでもあり、未来の自分を助けることにもつながっています。

「赤ちゃんの体重が増えてない…」と不安なお母さんへ。母乳育児で本当に大切なこと

産後のお母さんたちが、とても気にするもの。
それが“赤ちゃんの体重”です。

もちろん大事ですよ。
大事なんですが……

入院中、1日に何回も体重を測って、一喜一憂してしまうお母さん。
実はとても多いんです。

今日は、母乳育児を頑張りたいお母さんに向けて、「本当に大切なこと」を助産師目線でお話しします。

母乳は、産後すぐにジャージャー出るものではありません

まず安心してほしいのは、母乳は産後すぐ大量に出るものではない、ということ。

むしろ、退院する頃に少しずつ軌道に乗ってくるくらいが自然です。

「全然出ません…」と涙ぐむお母さん。
うんうん、大丈夫。珍しくありません。

ただし、母乳の分泌には個人差があります。

特に、

  • 年齢
  • 体力
  • 妊娠中の生活習慣
  • 栄養状態
  • 休息

これらはかなり影響します。

一般的に10代・20代前半のお母さんは分泌が良い傾向がありますが、30代以降は身体の回復にも時間がかかりやすく、母乳育児にも“準備力”が必要になります。

母乳育児で本当に大切なのは「体重測定」ではない

ここ、声を大にして言いたい。

母乳分泌に大事なのは、

  • しっかり休むこと
  • 頻回授乳
  • 栄養を摂ること
  • 赤ちゃんと一緒に過ごすこと

です。

この中に「何回も体重を測る」は入っていません。

入院中の赤ちゃんの体重増加なんて、本当にわずか。
それなのに毎回測ることで、

「増えてない…」
「足りてないのかな…」
「私のおっぱいダメなんだ…」

と落ち込んでしまう。

でもね、その不安やストレスが、今度は母乳分泌に影響してしまうんです。

お母さんの身体って、ものすごく繊細なんですよ。

母乳育児は「産後から」ではなく妊娠中から始まっている

私はよく妊婦さんに言います。

「母乳育児は妊娠中から始まっていますよ」と。

すると、「えっ、まだ産まれてないのに?」って顔をされます。笑

でも本当にそうなんです。

妊娠中から、

  • 体力をつける
  • 睡眠を整える
  • 食事を見直す
  • 冷えを防ぐ
  • お産に向けて身体を作る

こういう積み重ねが、産後の回復力や母乳分泌につながっていきます。

母乳育児がうまくいかず悩む方の多くは、決して“努力不足”ではありません。
ただ、「準備の大切さ」を知らなかっただけなんです。

赤ちゃんと一緒に過ごす時間が、母乳を育てる

出産後すぐから母子同室を頑張ったお母さんは、比較的スムーズに母乳育児へ移行しやすい傾向があります。

赤ちゃんは、お母さんのおっぱいを吸いながら、

「こうやって飲むんだ」
「ここが安心する場所なんだ」

と学んでいきます。

逆に、長時間預けることが続くと、哺乳瓶の飲み方に慣れてしまい、おっぱいを吸うのが難しくなる“吸啜混乱(きゅうてつこんらん)”が起きることもあります。

もちろん、産後の体調は本当に人それぞれ。
無理をしすぎる必要はありません。

でも、「今が母乳育児のスタートなんだ」と知っておくだけでも、お母さんの選択は変わってきます。

助産師が口うるさく見える理由

助産師って、ときどき厳しく見えるでしょう?

「休んで!」
「ちゃんと食べて!」
「夜も授乳して!」

……もう親戚のおばちゃん並みに言います。笑

でも、それには理由があります。

私たちは毎日、たくさんの産後トラブルを見ています。

  • 母乳が出なくて苦しむお母さん
  • 乳腺炎で高熱を出すお母さん
  • 睡眠不足で限界になるお母さん
  • 「こんなはずじゃなかった」と泣くお母さん

だから、「今のうちにできること」を必死で伝えたくなるんです。

少々おせっかいでも、未来のお母さんを助けたい。
そんな気持ちで言っています。

完璧じゃなくていい。でも“知っておく”ことは大事

ここまで読んで、

「ちゃんとできてない…」
「私ダメかも…」

と思わないでくださいね。

育児は、始まってみないと分からないことだらけです。

でも、知識があるだけで防げる苦労もあります。

だから私は、少しでも多くのお母さんに、

  • 母乳育児の現実
  • 妊娠中の準備の大切さ
  • 産後の身体の変化

を知ってほしいと思っています。

母乳でも、ミルクでも、混合でも。
最終的に赤ちゃんが元気に育てば、それが一番。

ただ、「母乳育児を頑張りたい」と思うなら、妊娠中から身体を整えておくことは、きっとお母さん自身を助けてくれます。

最後に。お母さん、自分を責めないで

母乳育児って、想像以上に体力も気力も使います。

だからこそ、

  • 頑張りすぎない
  • 一人で抱え込まない
  • 不安を相談する

これも、とても大切。

お母さんが笑っていること。
それが赤ちゃんにとって、一番の安心です。

今日も授乳、おつかれさま。
眠れる時は5分でも寝てくださいね。

「自然分娩したい」なら、妊娠中から“お産の準備”を始めよう

今回は、妊娠後期になっても生活習慣を整えたり、お産に向けた身体づくりが進まないまま、「できれば自然分娩で産みたいです」と希望される妊婦さんについてお話しします。

最初にお伝えしたいのは、自然分娩は“その日だけ頑張れば叶うもの”ではない、ということです。

ちょっと耳が痛いかもしれませんが、お産って、妊娠中の積み重ねが本当にそのまま出るんですよ。
これは長年、助産師としてたくさんのお産を見てきたからこそ感じることです。

自然分娩を目指すなら、妊娠後期の過ごし方が大切

「自然に産みたい」と願うこと自体は、とても素敵なことです。
でも、そのためには妊娠中から身体と向き合う必要があります。

  • 食事を整える
  • 睡眠をとる
  • 身体を冷やさない
  • 適度に動く
  • 無理をしすぎない
  • お腹の張りを放置しない

こうした毎日の積み重ねが、安産につながっていくのです。

妊娠36週、37週になっても仕事中心の生活が続き、「休めない」「私しかできないから」と頑張り続けている方も少なくありません。

でもね、お母さん。
赤ちゃんは24時間、休まずお腹の中で生きています。

仕事を大切にする責任感は素晴らしい。
けれど、今だけは“赤ちゃんを産む準備”も同じくらい大切にしてほしいのです。

昔より自然分娩が難しくなった理由

「昔の人は普通に産めていたのに」と言われることがあります。

確かに昔は医療介入が少なくても出産できた時代がありました。
でも、今は女性の結婚年齢・出産年齢が上がり、生活習慣も大きく変わりました。

便利な生活の一方で、

  • 運動不足
  • 慢性的な冷え
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 長時間労働

こういった要素を抱えたまま妊娠する方が増えています。

つまり、「医療が増えたから自然分娩できなくなった」のではなく、現代の生活そのものがお産を難しくしている面があるのです。

若い妊婦さんにあって、大人世代が忘れがちなこと

10代や20代前半の妊婦さんは、身体の柔軟さもありますが、何より“素直さ”が強みです。

「こうするといいよ」と伝えたことを、そのまま実践してくれる。
次の健診でしっかり改善してくる。

この柔らかさって、お産ではとても大切なんです。

一方で、30代以降の妊婦さんは人生経験が豊富です。
仕事もできるし、自分なりの考えもしっかり持っている。

でも、お産に関しては誰でも初心者。

そこに「私はこうしたい」が強くなりすぎると、必要なアドバイスまで自己流にアレンジしてしまうことがあります。

助産師としては、「どうか赤ちゃんの安全を最優先に考えてね」と、ついおせっかいを焼きたくなるのです。

妊娠中の“無理”は、出産で一気に表面化する

妊娠中によく聞く言葉があります。

「忙しくてご飯を食べられなかった」
「疲れて運動できない」
「お腹が張るけど休めない」

……うーん。
気持ちはわかる。ものすごくわかる。

でも、その“無理”を全部引き受けているのは、お母さんの身体なんですよ。

そして最後には、お産という大仕事が待っています。

お産は、体力勝負。
ごまかしがきかない世界です。

だから助産師は、口うるさく「休んで」「食べて」「身体を温めて」と言うんです。

嫌われ役ですよねぇ。
でも、お母さんと赤ちゃんに元気でいてほしいからなんです。

医療介入は「失敗」ではない

誤解してほしくないのは、帝王切開や促進剤、無痛分娩などの医療介入が悪いわけではありません。

必要なときに医療の力を借りるのは、赤ちゃんを守るための大切な選択です。

ただ、妊娠中に身体づくりをしてきた人と、まったく準備できなかった人では、お産の進み方に差が出やすいのも事実。

だからこそ、妊娠中から“お産モード”に入ることが大切なのです。

お母さんは、出産と育児で育っていく

ここまで読むと、「私できてない…」と落ち込む妊婦さんもいるかもしれません。

でも大丈夫。

最初から完璧なお母さんなんていません。

出産して、泣いて、悩んで、眠れなくて。
それでも赤ちゃんと一緒に、お母さんも育っていくんです。

助産師としてたくさんのお母さんを見てきましたが、妊娠中は不器用だった人ほど、子育ての中で大きく変わっていくこともあります。

だから今からでも遅くありません。

まずは今日、ちゃんとご飯を食べる。
少し早く寝る。
お腹を撫でながら赤ちゃんに話しかける。

そんな小さな積み重ねが、安産への第一歩になります。

お産も子育ても、人生の中でものすごく大きな経験です。
苦しくて、でも人を強くしてくれる。

私たち助産師は、ときに厳しく、ときにうるさく、でも心の中では「がんばれ、お母さん」って全力で応援しています。

産後うつを防ぐために|助産師が伝えたい“無理しない子育てと習い事”

妊娠中・産後のお母さんへ
ちょっとおせっかいな助産師から、「身の丈にあった生活」のお話です。

最近は交通も便利になって、習い事や学校の選択肢もぐっと広がりましたね。
「子どもの可能性を広げたい」その気持ち、とてもよく分かります。

検索でもよく見ますよね。
「子ども 習い事 何歳から」「英語教育 早い方がいい」なんて。

確かに、才能がある子にとってはチャンスが増えるいい時代です。
でもね、少しだけ現実的な話をすると

ほとんどの習い事は「本当に好き」でないと続きません。
そして、将来の職業につながるケースはごく一部です。

ここまでは、まあいいんです。問題はその先。

妊娠中・産後に無理を重ねていませんか?

「ここまでお金も時間もかけたんだから」
そんな思い、出てきますよね。

でも今のあなたは、妊婦さん、あるいは産後のお母さんです。

優先順位、ちょっとだけ整理しましょう。

妊娠中の最優先は「安全にお産を終えること」
産後の最優先は「しっかり休んで回復すること」

これ、揺るがない基本です。

タイミング、今じゃないとダメですか?

例えばこんなケース。

・幼稚園入園に合わせて遠方の園を選ぶ
・小学校入学と同時に新しい塾や習い事をスタート
・送り迎えで毎日バタバタ

ちょっと厳しい言い方になりますが
それ、今じゃないと本当にダメですか?

お母さんの体、ちゃんと回復していますか?

産後の体と心は、想像以上にデリケート

産後は「ちょっと寝れば元気になる」なんてレベルじゃありません。

・ホルモンバランスの変化
・慢性的な睡眠不足
・体のダメージの回復途中

この状態で無理をするとどうなるか。

産後うつ(産後うつ病)になるリスクもあります。
これは誰にでも起こり得るものです。

「私は大丈夫」なんて保証、誰にもできません。

子どもにとって本当に大事なこと

少し想像してみてください。

どれだけ習い事ができても、
どれだけ英語が話せても、

その成長をお母さんに見てもらえないとしたら?

子どもにとっての安心や幸せって、
実はとてもシンプルです。

「お母さんが元気でそばにいること」

これに勝るもの、そう多くありません。

助産師からの現実的なアドバイス

ちょっと現場目線でお伝えしますね。

新しいことを始めるタイミングは
少なくとも悪露(オロ)が落ち着いてから。

そこまでは「回復期間」です。

焦って動く時期ではありません。

まとめ|妊娠中・産後の優先順位

・まずはお母さんの体と心の回復
・無理なスケジュールは入れない
・習い事や教育は「後からでもできる」
・子どもの未来は長い、今だけが勝負じゃない

最後に。

子どもの可能性は、これからいくらでも広がります。
でも、お母さんの体はひとつだけ。

どうか大事にしてください。

元気な体で、子どもの成長を見守る。
それがいちばんの土台です。

あなたが元気でいること、それが何より大切です。

産後の大量出血、その原因は?|助産師が伝えたい“胎盤遺残と癒着胎盤”の話

皆さん、ごきげんよう。
ちょっとおせっかいだけど現場を長く見てきた助産師から、今日は少し重たいけれど大事なお話です。

今回は「産後 出血 原因」「胎盤遺残とは」「医療ミスかどうか」といった検索でもよく見かけるテーマについて、実際に相談を受けたケースをもとにお話しします(ご本人の了承済みです)。

産後3週間後の大出血…原因は?

ある方が出産後、産後3週間で突然の大量出血
病院で診察したところ、原因は「胎盤遺残」でした。

胎盤が子宮内に一部残ってしまう状態ですね。

すぐに処置が行われたのですが、ここで問題が起きます。
実はその胎盤、「癒着胎盤」だったんです。

癒着胎盤とは?リスクを正直に話します

「癒着胎盤」というのは、胎盤が子宮に強くくっついて剥がれにくい状態。

これ、珍しいと思われがちですが、
現場から言うと、決してゼロではないし、想定外で出てくることもある厄介なケースです。

この状態で胎盤を剥がす処置をするとどうなるか。

・大量出血のリスク
・子宮に穴が開く(子宮穿孔)
・腸まで傷つく可能性(腸穿孔)

今回もまさにそのケースで、処置はかなり難航し、最終的には外科手術で腸を一部切除することになりました。

「これって医療ミス?」という疑問

ここ、皆さん気になるところですよね。

結論から言います。

これは医療ミスではなく、手術に伴う合併症です。

少し厳しい言い方になりますが、医療は100%安全なものではありません。

どんなにベテランの医師でも、一定の確率で合併症は起こり得ます。

私自身、大学病院時代から
若手・ベテラン問わず、同様のケースを複数見てきました。

なぜ起きるのか?体の背景も関係します

癒着胎盤が起こりやすい背景としては、例えば

・過去の人工中絶(特に複数回や処置が荒かった場合)
・妊娠初期の出血やトラブル
・子宮内のダメージの既往

つまり、医療側だけの問題ではなく、体の状態が関係することも多いんです。

むしろ「守られたケース」でした

今回のケース、結果だけ見ると大変そうに感じますよね。

でも現場目線で言わせてもらうと、かなり守られた、運の良いケースです。

なぜか。

・迅速に対応された
・外科対応が間に合った
・子宮が温存された
・命が助かった
・赤ちゃんも無事

場合によっては、子宮全摘、人工肛門…ということも現実にはあります。

だから私は正直にこう思いました。

「いい医療者に当たったね」と。

医療者は敵ではありません

最近、「医療ミス」「医療事故」という言葉が先行しがちですが、

現場の人間は、24時間、本気で命を守ろうとしています。

夜中の大出血、緊急輸血、バタバタの現場。
それでも最善を尽くしているんです。

患者さんを傷つけようと思って医療をする人、私は一人も見たことがありません。

妊婦さん・産後ママへ伝えたいこと

ここからはあなたへのメッセージです。

もし同じような場面に出会ったら、まずは「怖かった」「大変だった」その気持ちは大事にしてください。

でも同時に、

・どんな説明を受けていたか
・どんなリスクがあったか
・何が最善だったのか

一度、冷静に振り返ってみてほしいんです。

緊急時って、本当に説明が頭に入らないものですからね。

まとめ|産後トラブルと向き合うために

・産後の大量出血はすぐ受診
・胎盤遺残や癒着胎盤は誰にでも起こり得る
・手術には合併症のリスクがある
・医療は完璧ではないが最善を尽くしている
・感情と事実は分けて考える

最後にひとこと

命があって、赤ちゃんも元気。
それって、当たり前じゃありません。

これから始まる育児、体力も気力もいります。

だからね、
誰かを責めることにエネルギーを使うより、
これからの生活に力を残しておいてほしい。

その方が、きっとあなたも赤ちゃんも幸せです。

ちょっとズバッと言ったかもしれませんね。
でも全部、あなたと赤ちゃんを守りたいからです。

現場叩き上げの助産師より。

破水かもと思ったら、一人で悩まないで|助産師からのお願い

お産が近づいている妊婦さんへ
ベテラン助産師から、ちょっとおせっかいだけど大事なお話です。

今日は多くの方が不安になる「破水」について、しっかりお伝えしますね。
検索でもよく見られる「破水 見分け方」「破水 気づかない」なんて言葉、気になっている方も多いでしょう。

まず正直に言います。
破水と尿漏れの違い、プロでも一瞬迷うことがあるくらい、分かりにくいです。
だから「これって破水?」と思った時点で、自己判断は卒業してください。

診察すれば、きちんと分かります。
逆に言うと、診察しない限り確定はできません。

「破水かも」と思ったら最優先でやること

ネット検索ではなく、クリニックに電話です。
これが一番早くて安全。

週末や夜間に入ってから不安になる方、とても多いんですが…
本音を少しだけ言うとね、
「昼間に相談してくれていたら、もっと安心できたのに」と思うこと、実は少なくありません。

でも責めたいわけじゃないんです。
不安で動けなかった気持ちも、ちゃんと分かっています。

だからこそ伝えます。
迷ったら早めに動く、それが赤ちゃんを守る一番の近道です。

破水を甘く見てはいけない理由

ここ、大事なところなので少しだけ真面目に。

破水が起きると、お腹の赤ちゃんは外の世界とつながります。
もし感染があれば、赤ちゃんに影響が出る可能性があります(垂直感染)。

そうなるとどうなるか。

・赤ちゃんだけ別の病院へ搬送
・ママと離れ離れ
・母乳が難しくなる可能性

…ね、想像しただけでつらいでしょう?

さらに「前期破水(陣痛がない破水)」は、特に感染リスクが高いです。
そして破水した瞬間から、実は時間との勝負が始まっています。

「様子を見る」が危険なケース

ネットでは「少量なら様子見」なんて書いてあることもありますよね。

でも現場から言わせてもらうと、
そこを素人判断で見極めるのはかなり危険です。

実際に私は、
「様子を見た結果、緊急帝王切開になった」ケースを何人も見てきました。

検索ではあまり出てこないけれど、現場では珍しくない話です。

助産師からのちょっとおせっかいなお願い

少し耳が痛いかもしれませんが、大切なこと。

医療はコンビニではありません。
でも私たちは、あなたと赤ちゃんを守るために、全力で待っています。

だからこそ
正しいタイミングで頼ってほしい。

夜中でもいいんです。
遠慮はいりません。
ただし「もっと早く相談できたはずのケース」は減らしたい。

まとめ|破水かも?と思ったら

・迷わずクリニックへ電話
・ネットで判断しない
・入院準備をしておく
・「大丈夫かな?」の段階で動く

最後にひとこと。

妊娠中は不安で当然。
でもね、不安なまま一人で抱え込む必要はありません。

あなたのそばには、ちゃんと頼れる人がいます。
だから遠慮せず、頼ってくださいね。

ちょっと口うるさい助産師より。
でも、あなたと赤ちゃんの無事を本気で願っています。

自分らしいお産って何だろう?|「こう産みたい」より大切なこと

こんにちは、こんばんは、ご機嫌よう。

今日は「自分らしいお産」についてお話しします。

最近は本当にいろんなお産がありますよね。

  • 無痛分娩
  • ソフロロジー
  • フリースタイル分娩
  • 計画分娩
  • 帝王切開

昔より選択肢は増えました。

でも助産師として長年お産を見てきて思うんです。

どんなお産方法を選んでも、根っこにあるのは同じ。

「自分で産む」という覚悟です。

「なんとなく産む」では、お産はしんどくなる

産院選びの時、多くの妊婦さんが

  • 家から近い
  • ご飯が美味しそう
  • 個室が綺麗
  • 口コミが良かった

もちろん、それも大事です(笑)

でも実は、“もっと大事なこと”があります。

それは、

「私はどんなお産をしたいのか」

を、自分なりに考えてみること。

ここが曖昧なままだと、陣痛が辛くなった時、気持ちが折れやすいんです。

無痛分娩でも、帝王切開でも、「産む」のはお母さん

たまに、

「無痛だから楽ですよね?」
「帝王切開だから下から産んでないですよね?」

そんな心ない言葉を耳にします。

もうね、言わせてください。

どのお産も命がけです。

無痛分娩だって、麻酔を使いながら赤ちゃんを迎える大仕事。

帝王切開なんて、手術です。

お腹を切って赤ちゃんを産んだあと、痛みの中で立ち上がり、歩き、授乳し、育児が始まる。

想像以上に大変です。

だから私はいつも思います。

赤ちゃんを産む方法に、偉いも偉くないもありません。

お産は「思い通り」にならないこともある

これも大切な話です。

妊婦さんはみんな、

「自然に産みたい」
「できれば医療介入なしで」
「理想のお産をしたい」

そう願います。

もちろん私たちも、できる限りその希望に寄り添いたい。

でもお産は、自然だからこそ予測できません。

途中で、

  • 吸引分娩
  • お腹を押す処置
  • 緊急帝王切開

そういう流れになることもあります。

その時に、

「こんなお産じゃなかった…」

と自分を責めるお母さんが本当に多い。

でもね。

どうか忘れないでください。

あなたは一生懸命、赤ちゃんを産んだんです。

そこに変わりはありません。

助産師は「代わりに産む」ことはできません

私たちは隣で支えます。

呼吸を整えたり、
腰をさすったり、
励ましたり、
安全を守ったり。

でも最後に赤ちゃんを産み出すのは、お母さん自身です。

だから私は妊婦健診でも、少し口うるさく言います(笑)

  • 食事
  • 体重管理
  • 運動
  • 睡眠
  • 冷え対策

「また言われた〜」と思うかもしれません。

でも全部、“お産を乗り越える身体作り”なんです。

「自分らしいお産」は、完璧なお産じゃない

SNSを見ると、

  • 感動的な立ち会い
  • キラキラ出産レポ
  • 理想通りのお産

たくさん流れてきます。

でも現実のお産は、

叫ぶし、泣くし、思い通りいかないし、「もう無理ーーー!」ってなります(笑)

それでいいんです。

お産はパフォーマンスじゃありません。

赤ちゃんとお母さんが無事であること。
まずそれが一番大事。

その上で、

「私、ちゃんと頑張ったな」

そう思えることが、“自分らしいお産”なんじゃないかなと思うのです。

妊娠中に育ててほしいもの

私は妊婦さんに、特別な能力を求めているわけではありません。

ただひとつ。

「自分で産むんだ」という気持ち。

これを少しずつ育ててほしい。

誰かが代わってくれるお産はありません。

でも逆に言えば、お産を経験した女性だけが知る強さがあります。

あの痛みを越えて、赤ちゃんを抱いた瞬間の顔って、本当に綺麗なんですよ。

これから出産を迎えるあなたへ

もし今、不安でいっぱいなら。

完璧なお産を目指さなくて大丈夫です。

バースプラン通りじゃなくてもいい。
途中で心が折れそうになってもいい。
泣いても叫んでもいい。

どうか、

  • 自分の身体を大切にすること
  • 赤ちゃんを迎える準備をすること
  • 信頼できる医療者を見つけること

そこを大切にしてください。

お産は、“誰かにしてもらうもの”ではなく、
あなたと赤ちゃんで作っていく時間です。

だからお産の森は、お母さんが
『私はちゃんと産んだ』
そう思えるお産を、一緒に支えていきたいと思っています。