助産師マニアックストーリー

皆さんご機嫌よう。

今日は助産師に求められる職務について
お話ししたいと思います。

一般的に助産師ってなにをするの?
と聞かれると、大抵の場合「赤ちゃんを取り上げる」
というイメージで、学校でもそこに重点を置いて
教育されるのでその印象が強くなると思います。

助産師学校の先生も実は助産師って役割を
まだちゃんと理解なさって無い方が多いから
かもしれません。

赤ちゃんを取り上げる。
いわゆる分娩介助ってものですが、
これ………はっきりいって資格なくてもいんじゃ無い?
できんじゃない?っておもいます。

要するにプロでなくてもできる。
実際、江戸時代なんかは無資格でお産の介助を
沢山経験した女性が「取上げババア」として、
陣痛のきた産婦の元へ駆けつけ
お産を取り上げていました。

故に「取上げババア」だけは、大名行列に
平伏さなくてもよかったし、前を横切っても
「切り捨てごめんは免除」だったそうです。

じゃあなぜプロの助産師が登場したのか?
それは戦後のGHQの影響も大きいのですが
周産期死亡率の高さでしょう。

「取上げババア」はのちに産婆になり、助産婦になり
今では助産師と言う言葉になりました。

助産師となると、何が違うかというと、
お産介助は当然ながら、妊娠中の妊娠管理や
お産進行中などの助産診断、産後の保健指導や
母乳指導

正常に限り助産師だけで取り扱いできる事になっています。
ただし、正常と判断できるかは国家試験で
判断されるのですが。

と言うところが肝、
私はいろんな助産師を見て来ました。
そこで本物の、要は今あげた助産診断ができる助産師か?

大病院からくる助産師に多いのは
「もっと異常症例を診たい」
などと、ちょっとトンチンカンな助産師が、
実は多くいます。

「異常症例が診たい」とおっしゃいますが、
私たち助産師の取り扱える分娩は「正常経過」のみ
あくまで、正常か異常かを見極められるかどうかが
最も重要なのです。

逆にいえば、正常以外は全て異常。
正常がなんたるものかが、理解できていれば、
異常もわかるので、その時は
ドクターの範疇です。

しかし、またこれがトンチンカンで、
異常を診たがる助産師に限って正常がわかってない。
何が正常かもわからない人が異常がわかるのか?
甚だ疑問です。

そして、お産だけを助産師の仕事と勘違いしている助産師は、
当然の如く、正常を理解していません。
正常っていうのは、基本ですでしよ?
でも、基本がないから、正常も無いのです。

以前個人病院に勤めていた頃の話
毎回、経過は看護師任せで分娩台に乗ってからが
自分の仕事と言わんばかりに分娩介助をしていた
助産師がいました。

ある日、その方が分娩台で内診したところ
「赤ちゃんの頭が柔らかいんです!」
と突然訴えてきました。

その子は逆子ちゃんでお尻が先行していたので
触診したのは頭ではなくお尻だったのですが、
小さな赤ちゃんでしたので無事に産まれることができました。

助産診断としては遅過ぎです。
「なんか変?」に気づいたのは誉めますが、
そのタイミングにはどうしようもありません。
結果オーライですが、たまたまです。
一歩間違えたら命にかかわります。

お産の森ではそんな助産師にお産の経過は任せませんので
ご安心下さい。
ただ、一般の産科では、不思議な事に当たり前のように
そんな助産師ばかりなのです。

お産の森に就職してきた助産師できちんと助産診断ができる
助産師って……ほぼ記憶にない。
皆成長するので、育てれば良いことですが
年を重ねて、助産診断をしてこなかった助産師は
聞く耳を持たないことが多いので
成長は難しいです。

みんな助産師は、お産、お産っていうけれど
「面接の時もお産何例介助しました。」は
お産の森にとってあまり魅力的な情報ではありません。

大事なのはお産の進行中、都度の助産診断書が
確実におこなえ、上申または、カンファレンスしながら
分娩計画が立てられ
そして、机上の空論だけに終わらず
目の前の妊産婦に寄り添えたかどうか。

お産を何件取っても、お膳立てされた、
お産を介助するだけの助産師は、
お産の森では
ただの「取上げババア」にしか過ぎません。

助産師学生さん
10例の壁はありますが、取ることだけに集中せず
基本を頭にたたきこみ、それに沿った助産診断と、
分娩計画が出来る練習をして下さい。

これは今現役で働いている助産師もしかりです。
まだあなたも、ホンモノの助産師ではないかもしれませんよ。