責任を果たすとは

こんにちは。こんばんは。

今回は責任を果たすとはどういうことかを
お話しします。

お産の森では、妊婦さんに100%妊娠や出産
育児を楽しんでいただくために
試行錯誤し、妊娠中や出産、育児の
知恵や知識を
伝える工夫をしています。

助産師外来の指導はもちろんテキストや掲示
クラスなどなどなど
外来では時間に限りがありますので
伝えきれない部分は紙媒体やデジタル媒を
利用しお伝えしています。

私たちも人間ですので、忘れてしまったり
漏れたりすることがありますので他の媒体を
用いて補う事で沢山の情報をお伝えしたいから。

しかし、どうも受け取る側は100%他力本願で
いらっしゃるのが気になります。
最近では伝える努力や工夫など
必要とされてないのでは?と
思うようになりました。

なぜそうかと申しますと、
掲示物に関しては、
「見てない」または
「自分の事として捉えていない」と
言わんばかりの姿の方ばかり。

それは助産師外来でお見受けしましが
「ヨガを受講してますか?」と尋ねても、
「骨盤矯正うけてますか?」と尋ねても
必ず返ってくる言葉が

「何もいわれていません。」
「勧められていません。」なのです。

ではお尋ねしますが、
あの廊下や待合室に掲示したポスターは
どなたを対象に掲示しているのでしょうか?

………………不思議でならないのです。

パッドでやっているクラス。
私が見てる限りでは、クラスを膝の上で
流しながら
ご自身はスマホの画面しか見てない。
「聖徳太子ですか?」
一度にいろんな情報を理解することができる
妊婦さんばかり?と思わざるをえません。
がしかし、とんでもありませんでした。

お産の際はもちろん、
2週間健診や1か月健診では、
クラスで
「くれぐれもこういう沼にはハマらないで」
と話した沼にそのままにハマって
悩んでいらっしゃる。
それに入院されときも訂正したことさえ忘れ
大荷物を持ってこられる。
挙句
「知らない」「聞いてない」
そんなはずはないのですが。

その時点で修正出来る事象ならよいですが、
荷物の訂正などできませんし
一度始めて馴染んだことなど
なかなか変更きかないのが育児ってものですよ。

ちゃんと予防線を張ってきたにも関わらず
そもそも、「始めて聞きました。」くらいの
反応です。

全く持って勿体無い。
知識は盗まれはしませんが、
獲得しないと行動にもうつせません。

また、妊婦や産婦の不安の原因は知識不足が
殆どです。
とはいえ、一度で習得できなるわけでも
ないので、産後のアフター会でもある
赤ちゃん会を月一で行なっています。
それにもほとんどの方は出席なさいません。

そんなに悩みがないのか?と思いますが、
それはそれで構いません。
しかし、どちらかというとご案内している
赤ちゃん会をご存じないのです。

食事指導も他人事。
体重を増やしすぎるとどうなるか?
栄養を取らずにお菓子やパンばかりを食べて
過ごしているとどうなるか?

この先を話すと
「怖い事ばかりを言われて不安しかなかった」と
言われるのがおちです。
しかし、事実です。

栄養不良で貧血がなおらないと
大出血した時に余力なく死ぬかもしれません。
死なないにしても発達障害など後にわかる
問題がおこるかもしれません。
体重を増やしすぎると赤ちゃんが産まれるときの
ストレスで脳障害をおこすかもしれません。
腎機能や肝機能障害を起こし血圧が上がり
血栓やら出血やらで
お母さんにも障害が残るもしれません。
赤ちゃんは胎盤機能不全でお腹の中で
育つ事が出来ず、胎児異常をおこし帝王切開
保育器の生活は続くでしょう。
それでもなにも今後起きないとはいえません。

そういったことを毎回の外来診察で
お伝えしているのですが、
問題がある方に限ってスルーされ
何か起きればすぐに医療側のせい。
「言ってくれればよかったのに。」
お伝えしてますよ。
「教えてもらってない。」
教えてますよ。

本当?にそう思っていらっしゃるとしたら
私たちは八方塞がりですね。

責任を果たすということは、
医療者が言っている事
クリニックに掲示してある事
クラスで伝えた事を
しっかりと自分の中に落とし込み
わからない事は質問して納得した状態で
お産の準備をされる事のほかありません。

そうしたら、入院の持ち物が変わったのを
知らなかったとか、
あり得ないクレームはおきません。
案内が有る前に準備しましたというような
ありえない事態は起こらないのです。

なぜなら、入院の準備を更新した時に全員に
新しい持ち物を書いたパンフレットを
お渡ししていましたし、
パンフレットを渡しそびれたり、
無くしてしまった方のために
助産師外来の入り口に持ち物を更新した事
即座にポスターにして掲示していたのですから。

クラス中に片手に持っていらっしゃる
スマホという便利なグッズはカメラ機能も付いて
います。ガラケーだってついてます。
大抵紙を無くした方はスマホで写メされて
準備されているので、いくら早くから準備したと
しても、紙を無くしても起点をきかせれば
人のせいにする事もないのです。

それを責任を果たさず自己主張ばかりすると
いうのです。

これからも、責任を果たさない方たちの為にも
試行錯誤しなければならないのでしょうが
もはや、ニワトリが先か卵が先か?の
くださらない水掛論になってしまいます。

どうか、医療者にマウントされる事ばかりを
考えられず、ご自身の妊娠、お産を手伝ってもらう
為にも必要な妊婦健診と自覚しましょう。

産婦人科とはファッション感覚で
来るところではないのです。

なんかあったらSNSに訴える。とか
(自分が失念した事を)お産の森に責任を
なすりつけるのはやめませんか。

まあ、日本人の民意が下がっている証拠
なので仕方ないと思いますが、
勘違いなさっている方の為にお伝えします。

医療者やサービス提供者側に
真っ向から楯突くようなバブルの時代は
とっくに終わったのです。

いつまでも自己主張ばかりして責任をはたさない
未熟で幼い思考は自己の価値を下げてしまいます。

私たち産科医療者はサービス業では
ないことをくれぐれもお伝えしておきます。