夫の立ち会いについて

こんにちは、こんばんは、ご機嫌よう。

7/11以降、日曜祝祭日を除いて、ご主人の立ち会い分娩を再開します。
希望なさる方は助産師外来でその旨伝えて
ガイドライン及び同意書を受け取って下さい。

世間のコロナ対策は緩和しマスクも外して
良いと言われているのに、何故立ち会いを
再開しないの?

との質問が耳に入りますが、
世間の常識と医療の扱いには
まだ大きなギャップがあります。
感染症分類ではコロナは第5類です。

濃厚接触者は発症なくても1週間
感染して無症状でもPCR陽性から1週間は
自宅待機です。

都内や人が多い所に仕事に行くご主人が
もし感染していたとして、立ち会いなさったら、
私たちは何人濃厚接触者になるでしょう?

無防備にそんな事を繰り返していたら
病院も外来も働けるスタッフがいなくなり
閉鎖しなければなりません。

そんな危機的状況に陥らないために
感染対策は重要となるのです。

夫の立ち会いはあくまで陰圧機が設置されてる
感染対応室のみであり、3時間以内です。

入院したお部屋に入る事はできませんので、
分娩後2時間安静にして部屋へ帰る際、
3時間に達していなくてもご帰宅いただきます。

里帰りや、遠方へ仕事に行かれているご主人は
立ち会い云々に関わらず
お産の当日は、自宅または実家に待機して下さい。

お産は何が起こるかわかりません。
現代は特にそうです。
お産を正常に終えれる方が少ない。

私が助産師なりたてのころ
こんなにお産が困難なものという
感覚はありませんでした。

お母さんの難産になると、当然赤ちゃんにも
ストレスがかかります。
ストレスがかかると、呼吸不全、低血糖、低体温
黄疸などがおこる事にも繋がります。

赤ちゃんの具合や産婦さんの具合が
悪くなった場合は急遽緊急の処置が
行われる事もあり、行う手術の説明と
輸血などの同意が必要になります。

産婦さんの状態が悪く、ご主人を待てず
やむなく産婦さんのご両親に説明する
こともあります。

ご両親では理解が及ばす的外れな質問が
飛び交い説明に時間がかかります。
また、理解不能な為にのちにトラブルの原因に。
命を守るための緊急対応なのですが、
それでは本末転倒。

ご主人が責任持って処置の同意をする事は
立ち会い出産よりよほど大事な事だと
思いますが、みなさん当たり前にお産が終わると
思っていらっしゃる。

大間違いです。
お産を甘く考えないで下さい。
昔も今も命がけなのです。

いえ、今の方が命の駆け引きは
大きいかもしれません。

お産は本当に怖い。
30年以上お産や妊婦に携わってきて
感じる感想です。
毎年毎年お産は難産になっています。

実際、生命保険の帝王切開が免責事項に
なったのはそういう事を裏付けているでしょう。

医療技術がこんなに進んで
あらゆることが機会や検査で予測できるように
なった今ですが、体感では
30年を通して今のお産が一番怖いです。

大出血、赤ちゃんの状態不良、
赤ちゃんが産まれた後も胎盤が剥がれない
するとまた大出血です。

何が起こるかわからないのがお産。
母体と赤ちゃん同時に起こることもあります。
お産は2人の命かかっています。

立ち会いを望まれるのは自由ですが
お産はエンタメでは決してない事を
きちんと覚悟されて臨んで下さい。