何より自分

今回は、お産が近くになっても
生活改善やお産に向けて準備モード
にもならず
「自然分娩したい」と主張する
妊婦についてお話しします。

はっきり申し上げて、
自然に沿った妊娠生活さえ
送れなかった事態
難産覚悟してほしいのに
お産だけ自然にというのは
無視のいい話でしょう。

お産の準備とは少なくとも
今やってる仕事に区切りをつけ
お産モードに入って身体作りに専念しないと
10週後に安産はむりです。
恐らく自然にというのは難しいでしょう。

昔はできた。とおっしゃいますが
今できないのは医療の責任ではなく
文化の発達とともに生活習慣が変わり
女性の結婚年齢や出産年齢が
上がったことが一番大きな原因と
いえるでしょう。

ですから、いまでも10代、
20代前半であれば
あまり心配なくお産はすすみ自然分娩は
そこまで大変ではありません。
ただし、コンプライアンスが良いと
いう事は安産にとって大事な要素です。

若い妊婦は素直で純粋。
やった方がいいよ。と言ったことは
次回の健診できっちりクリアしてきます。

この頭の柔らかさや適応能力の高さは
お産の強みとなるのです。

一方で割合が多い高齢出産やアラサーと
言われる世代の妊婦。
自分の経験値が人生最大の強み。
ただ、お産に関しては何回産んだとしても
ど素人です。

それなのに、指導されても好き勝手に
アレンジし、取捨選択をする。
自分が面倒な事は一切やらない。
ひどい場合、処方箋さえ取りにいかない
方さえいらっしゃいます。

もうこれは、妊娠が何か?から
わかっていない妊婦。
私はこう言ったかたを
胎児ネグレクトと思っています。

日頃から妊娠中の自分の体と
向き合っていないので
体調不良に気がつかない。
気にならない。

食事がいい加減でも気にしない。
食事抜きでも別に平気。
だって仕事が忙しかったから。

お腹が張っていても仕事は休めない。
だって私しか出来ない仕事だから。

忙しく帰宅すると疲れて運動できない。

こういった話は当たり前の様に耳にします。
この発言がある方は仕事が赤ちゃんより
大事なのでしょう。

それと同時に
赤ちゃんを産む、育てるという事の 
想像をしようともしていない
自分本意な妊婦です。

こういった事を平気でいえる妊婦は
他人に対しても同じように
物事に対しても自己中心的に考える
少しばかり想像力が足りない人なの?
と想像しながら関わっています。

そして、お産の話になると
どんなに医療介入の必要性を説明をしても
自分の理想を主張する。
そこには赤ちゃんの安全性を
案じる気持ちなど微塵も感じられません。

準備してないと赤ちゃんの生命そっちのけで
こんなにお産が怖くなるものです。

まあ、私たちはそんな方ばかりを見て
いるので決して珍しくありません。
入院したときからクレーム言い放題。

そんな方を見ると
「お産が怖いんだな」と
同時に
「身体と向き合って
こなかったんだなぁ」と

だから、やっといた方がいいよと
言われた事はやりましょう。

結局最終的に最初に提案した
医療介入を最大限に施して
無事にお産を終えるという結末。
メデタシメデタシ。

これは、妊娠中から身体と向き合えず
仕事、仕事、仕事(自分、自分、自分)
と吠えながら生活してきた方には
誰にでも起こり得る結末です。

それで納得してくだされば
良いのですが、そういう方は
いつまでも「なぜ、そうであったのか?」
と自問自答の生活を送られている方も
少なくはありません。

何だか切ない気持ちになります。

答えは全てご自身の思考の中。

とはいえ、赤ちゃんが成長するように
お産して変身したお母さんも
子育てしながら赤ちゃんと共に
成長します。

今わからなくても育児の中でわかっていく
ことが沢山あります。

お産の森は自己中だった女性でも
育児してお母さんになっていく姿を
頼もしく観察させていただいています。

お産、子育てってのは人生における
三大苦行の一つですから
人間の成長が著しい第三成長期みたいな
ものですね。

皆さんに身のある成長を
遂げていただきたい。
見守る立場の私たちは飴と鞭ただそれだけ。