産後の大量出血、その原因は?|助産師が伝えたい“胎盤遺残と癒着胎盤”の話

皆さん、ごきげんよう。
ちょっとおせっかいだけど現場を長く見てきた助産師から、今日は少し重たいけれど大事なお話です。

今回は「産後 出血 原因」「胎盤遺残とは」「医療ミスかどうか」といった検索でもよく見かけるテーマについて、実際に相談を受けたケースをもとにお話しします(ご本人の了承済みです)。

産後3週間後の大出血…原因は?

ある方が出産後、産後3週間で突然の大量出血
病院で診察したところ、原因は「胎盤遺残」でした。

胎盤が子宮内に一部残ってしまう状態ですね。

すぐに処置が行われたのですが、ここで問題が起きます。
実はその胎盤、「癒着胎盤」だったんです。

癒着胎盤とは?リスクを正直に話します

「癒着胎盤」というのは、胎盤が子宮に強くくっついて剥がれにくい状態。

これ、珍しいと思われがちですが、
現場から言うと、決してゼロではないし、想定外で出てくることもある厄介なケースです。

この状態で胎盤を剥がす処置をするとどうなるか。

・大量出血のリスク
・子宮に穴が開く(子宮穿孔)
・腸まで傷つく可能性(腸穿孔)

今回もまさにそのケースで、処置はかなり難航し、最終的には外科手術で腸を一部切除することになりました。

「これって医療ミス?」という疑問

ここ、皆さん気になるところですよね。

結論から言います。

これは医療ミスではなく、手術に伴う合併症です。

少し厳しい言い方になりますが、医療は100%安全なものではありません。

どんなにベテランの医師でも、一定の確率で合併症は起こり得ます。

私自身、大学病院時代から
若手・ベテラン問わず、同様のケースを複数見てきました。

なぜ起きるのか?体の背景も関係します

癒着胎盤が起こりやすい背景としては、例えば

・過去の人工中絶(特に複数回や処置が荒かった場合)
・妊娠初期の出血やトラブル
・子宮内のダメージの既往

つまり、医療側だけの問題ではなく、体の状態が関係することも多いんです。

むしろ「守られたケース」でした

今回のケース、結果だけ見ると大変そうに感じますよね。

でも現場目線で言わせてもらうと、かなり守られた、運の良いケースです。

なぜか。

・迅速に対応された
・外科対応が間に合った
・子宮が温存された
・命が助かった
・赤ちゃんも無事

場合によっては、子宮全摘、人工肛門…ということも現実にはあります。

だから私は正直にこう思いました。

「いい医療者に当たったね」と。

医療者は敵ではありません

最近、「医療ミス」「医療事故」という言葉が先行しがちですが、

現場の人間は、24時間、本気で命を守ろうとしています。

夜中の大出血、緊急輸血、バタバタの現場。
それでも最善を尽くしているんです。

患者さんを傷つけようと思って医療をする人、私は一人も見たことがありません。

妊婦さん・産後ママへ伝えたいこと

ここからはあなたへのメッセージです。

もし同じような場面に出会ったら、まずは「怖かった」「大変だった」その気持ちは大事にしてください。

でも同時に、

・どんな説明を受けていたか
・どんなリスクがあったか
・何が最善だったのか

一度、冷静に振り返ってみてほしいんです。

緊急時って、本当に説明が頭に入らないものですからね。

まとめ|産後トラブルと向き合うために

・産後の大量出血はすぐ受診
・胎盤遺残や癒着胎盤は誰にでも起こり得る
・手術には合併症のリスクがある
・医療は完璧ではないが最善を尽くしている
・感情と事実は分けて考える

最後にひとこと

命があって、赤ちゃんも元気。
それって、当たり前じゃありません。

これから始まる育児、体力も気力もいります。

だからね、
誰かを責めることにエネルギーを使うより、
これからの生活に力を残しておいてほしい。

その方が、きっとあなたも赤ちゃんも幸せです。

ちょっとズバッと言ったかもしれませんね。
でも全部、あなたと赤ちゃんを守りたいからです。

現場叩き上げの助産師より。