今回は、妊娠中の“冷え”についてお話しします。
助産師をしていると、「冷えなんて昔の話でしょ?」と思っている妊婦さんにもよく出会います。
でもね、長年たくさんのお産を見てきた立場から言わせてもらうと……
冷えを甘く見ていると、お産はかなりしんどくなりやすいです。
これは脅しではなく、経験から感じている現実なんです。
妊娠中の冷え対策は、安産への土台づくり
お産の森では、東洋医学の考え方も取り入れながら、
- 身体を冷やさない生活
- 血流を良くする食事
- 足腰を整える習慣
について、かなり細かくお伝えしています。
「そこまで言う?」と思うくらい、しつこく。笑
でも、それには理由があります。
妊娠・出産って、想像以上に体力も血流も必要だからです。
特に妊娠後期になると、
- 足の冷え
- むくみ
- 貧血
- お腹の張り
- 疲れやすさ
こういった不調が、お産の進み方にも影響してきます。
“健診の時だけ冷え対策”は、身体にバレています
最近、暑くなってくると増えるんですよ。
健診の日だけ急に、
- 厚手のレッグウォーマー
- タイツ重ね履き
- 足首ガチ防寒
の“インスタント冷え対策妊婦さん”。笑
いや、気持ちはわかるんです。
「助産師さんに怒られたくない」ってね。
でもね、お母さんの身体って正直なんですよ。
普段から冷えている方は、
- 足首の硬さ
- 皮膚の冷たさ
- むくみ方
- 歩き方
ですぐ分かります。
だから私は、「ちゃんとやってないでしょ!」と責めたいわけではなく、
「あぁ、このままだとお産つらいかもなぁ…」
と心配しているんです。
妊娠中の生活習慣は、お産にそのまま出る
これは何度でも言います。
お産って、突然奇跡のようにラクになるものではありません。
妊娠中、
- 身体を冷やす
- 食事を抜く
- 甘い物ばかり食べる
- 動かない
- 睡眠不足
- 無理して働き続ける
こういう積み重ねは、出産の時にちゃんと身体へ返ってきます。
東洋医学では「因果」という考え方がありますが、本当にその通り。
身体は、やってきたことを全部覚えているんです。
「自然分娩したい」は素敵。でも準備は必要
「できれば自然分娩で産みたいです」
その希望は、とても素敵です。
でも、自然分娩って“自然に丸投げ”ではありません。
身体を整え、血流を良くし、体力を作り、赤ちゃんを迎える準備をしていく。
それがあってこそ、“自然に産める力”が発揮されやすくなるんです。
漢方を処方されても飲まない。
食事はバラバラ。
慢性的な冷えと貧血。
ずっと不調がある。
その状態で「自然分娩希望です」と言われると、助産師としては少しハラハラします。
だって、お産するのはお母さんの身体だから。
助産師は“怖い人”ではなく、未来を見ている人
時々、「助産師さん厳しい…」と思われることがあります。笑
でもね、私たちは毎日いろんなお産を見ています。
- 安産だった人
- 難産になった人
- 出血が多かった人
- 産後ボロボロになった人
その違いを、何年も積み重ねて見てきています。
だから、歩き方や身体の状態を見るだけで、
「あ、この方は冷えが強いな」
「骨盤周りが硬いな」
「産後しんどくなりそうだな」
と、ある程度予測がつくんです。
もちろん未来を決めつけるわけではありません。
でも、“今できること”を伝えたいから、何度でも口うるさく言ってしまうんですよね。
完全に、おせっかいなお母ちゃんたちです。笑
前回安産だったから、今回も大丈夫…とは限らない
経産婦さんによくあるのが、
「前は大丈夫だったから今回も平気」
という気持ち。
でもね、ここで大事なのが“年齢”。
身体は確実に変化しています。
20代の身体と30代後半の身体。
同じようにはいきません。
そこをちゃんと受け止めて、
「今回はもっと身体を整えよう」
「冷え対策しよう」
「ちゃんと休もう」
と思える方は、産後の回復も本当に違います。
妊娠中のセルフケアは、誰のため?
ここ、すごく大事です。
「赤ちゃんのために頑張らなきゃ」
もちろんそれも素敵。
でも私は、まず“自分のため”でいいと思っています。
だって、お産するのはお母さん自身。
身体を温めること。
ちゃんと食べること。
動くこと。
休むこと。
それって、本来は自分の身体が喜ぶことなんです。
逆に、
- 冷たいものばかり
- 食事が適当
- 運動不足
- 夜更かし
- 不調を放置
こういう生活を続けると、妊娠中だけでなく、産後も不調を引きずりやすくなります。
お産はゴールじゃない。その後に育児が始まる
難産で体力を使い切ったあと、すぐに始まるのが育児です。
夜中の授乳。
抱っこ。
寝不足。
細切れ睡眠。
だからこそ、妊娠中から身体を整えておくことが本当に大事なんです。
産後、「こんなにつらいなんて思わなかった」と涙するお母さんを、私はたくさん見てきました。
だから今、まだ妊娠中のうちに伝えたい。
身体を大事にしてください。
冷やさないでください。
無理しすぎないでください。
それは赤ちゃんのためでもあり、未来の自分を助けることにもつながっています。